シングルマザーだって、恋したい。〜アラサーシンママのリアルな恋愛事情〜

はじめに|「恋をしてもいいのかな」と思ったあなたへ
息子を寝かしつけた後、ふと窓の外を見つめていると、心の奥底から湧き上がるあの感覚。「誰かに抱きしめてもらいたい」「大切な人と明日の、未来の話をしたい」—そんな思いが胸をしめつけることがあります。
でも次の瞬間、罪悪感も押し寄せてくる。
「子どものことで精一杯なのに、自分の恋なんて…」
「母親なのに、わがままじゃないか」
私も未婚シングルマザーとして幼いの息子を育てながら、そんな葛藤の毎日を送ってきました。恋をしたい気持ちを打ち消しては、また湧き上がり、また押し殺す。その繰り返しの中で、自分自身が少しずつ枯れていくような感覚さえありました。
でも今、あなたに伝えたいのです。あなたが恋をしたい、誰かに愛されたいと思うのは、決して悪いことではありません。それはあなたの中に「もっと幸せになりたい」という希望が残っている証なのです。
シングルマザーの恋愛が難しい理由
1. 「子どもが一番」という呪縛
「彼と会う時間があるなら、その時間は子どもと過ごすべきじゃないか」
これは、私が恋愛を意識し始めたときに真っ先に浮かんだ思いでした。シングルマザーである以上、子どもを一番に考えるのは当然です。でも、それが自分の気持ちを完全に無視することにつながってしまうことも…。
息子が保育園で父の日の制作物を作って、先生が私にそれを渡してくれました。
みんなには当たり前の「お父さん」がいない。まだ幼いからちゃんと理解はしていないかもしれないけど、やっぱりもう分かってるのかな、、と複雑な気持ちになったことを覚えています。
だけど「私が恋愛なんてしたら、余計に子どもが混乱するんじゃないか」とも考え、深く悩みました。
でも後になって気づいたのは、「子どもを一番に」と「自分の幸せを追求する」は、実は相反することではないということ。母親が幸せでいることが、子どもの幸せにもつながるのです。
2. 周囲の目と自分への厳しい目線
「シングルマザーの恋愛は身勝手」「また失敗するんじゃないか」—そんな周囲の目を感じることがあります。特に未婚のシングルマザーにとって、その視線はより厳しく感じるかもしれません。
私自身、「母親失格」と言われるんじゃないかという恐怖から、恋愛感情を抱くこと自体に罪悪感を持っていました。親や友人にさえ、「好きな人がいる」と言い出せなかったのです。
でも、本当に私たちを裁いているのは、多くの場合「自分自身」なのかもしれません。自分を責めすぎるあまり、本来なら許されるはずの幸せまで遠ざけてしまっていたのです。
3. 過去の傷が教えてくれる「慎重さ」
未婚シングルマザーになった背景には、それぞれの事情があります。私の場合は、妊娠を伝えた途端にパートナーが態度を一変し、逃げるように姿を消したという辛い経験から始まりました。
「また同じ思いをするかもしれない」「子どもまで傷つけてしまうかもしれない」—その恐れは、新しい恋に踏み出す足をどうしても止めてしまいます。
でも、過去の傷があるからこそ、今のあなたは強くなり、賢くなりました。子どもを守る強さも、自分の価値を知る目も持っています。その経験は、決して無駄ではなかったのです。
勇気を出して恋をしてみたら…
「もし恋をしたら、子どもと新しいパートナーの間で板挟みになるんじゃないか」—そんな不安を抱えながらも、私は少しずつ恋愛の一歩を踏み出しました。
私は在宅ワークなので出会いがなく、マッチングアプリで彼と出会いました。初めから未婚シンママであることも息子の話もオープンにしていて、「シングルマザーである私」をありのまま受け入れてくれるかを見極めようと思ったのです。
そして驚いたのは、彼が「子どものことも大切にしたい」と言ってくれたこと。私が想像していた「恋か子どもか」という二択ではなく、「恋も子どもも」という選択肢があることに気づかされました。
「ママ、最近笑ってるね」—気づかなかった自分の変化
恋愛をスタートして3ヶ月が経ったある日、保育園から帰る道で息子がふいに言いました。
「ママ、最近よく笑うね。歌も歌ってる」
ハッとしました。確かに朝の支度も、夜のお風呂も、以前より笑顔で過ごせている自分がいたのです。それは恋をしているからというだけでなく、「ひとりの女性として見られている」という安心感からくるものだったのかもしれません。
私が幸せそうにしていると、子どもも安心して笑顔になる—この単純なことに、なぜもっと早く気づかなかったのでしょう。
子どもにとっての「いい影響」もあった
「ママの彼氏」の存在は、息子にどんな影響を与えるのか—それが最大の不安でした。
でも少しずつ、3人で過ごす時間も作ってみると、意外な発見がありました。男性との接し方を見せられることで、息子の社会性が広がったのです。ママではなく、おじいちゃんおばあちゃんでもない男性と過ごすという体験は、子どもの世界を豊かにしてくれているようでした。
もちろん、最初から子どもと彼を引き合わせることはリスクもあります。でも、段階を踏みながら、子どもの反応を見ながら進めることで、子どもにとってもプラスになる関係を築くことは可能なのだと実感しています。
恋をすることで、あなたの人生に「色」が戻る理由
恋愛は、ただ「誰かといる時間」だけではありません。それは、あなた自身を取り戻す旅でもあるのです。
「女性としての自分」を思い出せる
シングルマザーになると、ついつい「母」の役割だけに自分を閉じ込めがちです。髪を整える時間も、おしゃれを楽しむ心の余裕も失われていきます。
でも、誰かに「きれいだね」「かわいいね」と言われたり、女性として見つめられたりすることで、忘れていた自分の一面を思い出します。鏡を見る回数が増え、少しだけ素敵な服を買ってみる。そんな小さな変化が、日々の暮らしに彩りを加えてくれるのです。
「未来」を想像する楽しさ
シングルマザーの日々は「今日を乗り切る」ことに精一杯で、未来を思い描く余裕がなくなりがちです。でも、恋をすると不思議と「来月どこかに行こうか」「来年はどうなっているかな」と、先のことを考える楽しさが戻ってきます。
それは子どもとの未来も、より豊かに想像できるようになるということ。「このままずっと二人だけ」という固定観念から解放されると、可能性が広がる感覚があります。
孤独感が和らぐ力
子育ての悩みや喜びを共有できる人がいるというのは、想像以上に心強いものです。「今日、子どもがこんなことを言ったよ」「この対応で合ってたかな」—そんな日常の些細な出来事を共有できる存在がいるだけで、シングルマザー特有の孤独感が和らぎます。
もちろん、恋人=子育ての相談相手ではありません。でも、「この人なら私の話を聞いてくれる」という安心感は、日々の心の支えになるものです。
さいごに|「恋をする」その一歩は、あなたの未来を明るくする
「子どもを産んだ私には、幸せになる資格はないのかもしれない」
「未婚のシンママを愛してくれる人なんて、いないんじゃないか」
未婚のシングルマザーになったとき、そう思い込んでいた時期もありました。でも今は違います。
あなたが恋をしたいと思うのは、「母親」である前に「一人の女性」だから。それは自然なことであり、決して恥じるべきことではありません。
子どもを育てることと、自分の幸せを追求することは、二者択一ではありません。むしろ、あなたが心から笑顔でいられることが、子どもにとっての最高の環境なのかもしれません。
もちろん、新しい恋愛にはリスクもあります。子どものことを考えない人、あなたを大切にしない人には、きっぱりと距離を置く勇気も必要です。でも、その見極めができるほど、あなたはもう強くなっています。
だから、恋をしたいという気持ちが芽生えたら、それを無理に押し殺さずに、ほんの少しだけ大切にしてみませんか?
あなたは、今日も子どものために頑張っている。だからこそ、自分自身のためにも優しくあっていい。
明日も、あなたとお子さんの日々に、小さな光が灯りますように。心から応援しています。